パー5の2打目で、グリーンまで230ヤード。届くか届かないかで言えば、良い当たりなら届く。この問いの立て方が、そもそも外れています。判断を決めるのは、届く確率ではなく、外したときの行き先の内訳です。
良い当たりを基準にしない
まず距離の見積もりから。230ヤード届くというのが人生で一番当たった一発の距離なら、それは届かないと考えるべきです。分布の中心は会心の当たりより手前にあります。平均のキャリーで考えて、それでも届くなら初めて候補になります。
ここを間違えると、この先の計算は全部狂います。
行き先の内訳で決まる

230ヤードを狙って、グリーンに乗るのは一部です。大半はグリーン周りに残る。問題は残りの内訳で、バンカーなら安いが、池やOBなら話が別です。
グリーン周りに残るのなら、寄せて入れてパーが普通にあります。乗ればイーグルも見える。この場合、狙う判断は普通に正しい。
一方、グリーン手前が池で、外すと一定の割合で入るなら、その1回が2打を持っていきます。期待打数では、残りの大半が良くても、このテールが平均を押し下げる。
判断を分けるのは、届く確率ではなく、外したときに罰打があるかどうか。
刻む場合も、前へ出す
刻むと決めたとしても、「得意な100ヤードを残す」という理由で手前に置くのは損です。期待打数のカーブは単調に下がるので、50ヤードのほうが100ヤードよりやさしい。
刻む場所を決めるのは、好みの距離ではなくライと障害物です。打てる限り前へ出し、バンカーや横断のハザードの手前で止める。
スコア帯で結論は変わるか
変わります。アマチュアのほうが、遠い距離での散らばりが大きいからです。230ヤードを狙ったときの楕円は、ツアーとアマチュアで大きさが全く違う。同じホールでも、ハザードにかかる割合が違います。
ただし、「アマチュアは常に刻むべき」という話でもありません。グリーン周りに罰打がないホールなら、外しても失うものは小さい。判断の軸は腍前ではなく、やはり外したときの行き先です。
1回の結果で判断を変えない
狙って池に入れた次のラウンドで、同じホールを刻む。これはよくある反応ですが、判断の良し悪しは1回の結果では測れません。確率的に正しい選択でも、悪い結果は一定の割合で出ます。
逆に、無理をして乗ってイーグルを取れば、その判断は正しかったことになってしまう。この問題は別に整理してあります。
まとめ
2オンの判断は、届くかではなく外したときの行き先で決めます。グリーン周りに残るなら狙ってよく、池やOBが待っているなら別です。距離の見積もりは平均のキャリーで。刻むときも、打てる限り前へ出します。
出典:Mark Broadie『Every Shot Counts』(邦訳『ゴルフデータ革命』)。図は概念図で、実際の割合は本人の分布とホール形状で変わります。

