Strokes Gained(SG)の計算は、突き詰めると1本の引き算です。その引き算の”ものさし”にあたるのが、期待打数(ベースライン)。ここがSGの心臓部です。SGを正しく使うなら、まずこれを押さえるのが近道です。
期待打数とは「ここから平均何打で入るか」
期待打数とは、ある地点から基準となるプレーヤーがカップインするまでに要する平均打数です。地点は「距離」と「ライ」で決まります。ゴルフコースのあらゆる場所に、あらかじめ「ここからは平均◯打」という値札が付いている——そうイメージしてください。
たとえばPGAツアーの平均では、フェアウェイ150ヤード地点はおよそ2.9打、グリーン上8フィート(約2.4m)からは約1.5打、1メートルなら約1.05打。距離が近づき、ライが良くなるほど、期待打数は下がります。

SGは、期待打数の「引き算」
1打ごとのSGは、次の引き算で決まります。
SG =(打つ前の期待打数)−(打った後の期待打数)− 1
打つ前の値札と、打った後の値札の差から、実際に使った1打を引く。期待値より前に進めればプラス(ゲイン=得)、届かなければマイナス(ロス=損)。これだけで、ナイスショットは自動的にプラス、ミスはマイナスとして、小数第1位まで数値化されます。
具体例:150ヤードを打つ
フェアウェイ150ヤード(期待打数2.9)から打ち、グリーン上3メートル(期待打数1.8)に乗ったとします。SG=2.9−1.8−1=+0.1。平均よりわずかに得をしたショット、と評価できます。逆にラフに外して次が難しくなれば、同じ150ヤードでもマイナスになります。
だから「距離だけ」では決まらない
期待打数は距離とライの両方で決まります。同じ15ヤードでも、花道とバンカーでは期待打数が違う。ここが、SGが従来の指標より賢い理由です。ライがSGを左右するという話は、次の記事で詳しく扱います → 「ライが全て」。
また、期待打数の考え方を知ると、「GPSの数ヤードの誤差はSGにほぼ効かない」理由も見えてきます → GPSの誤差5ヤードは、SGの計算にほぼ効かない。
まとめ
- 期待打数=「ここから平均何打で入るか」。距離とライで決まる。
- SG=(打つ前)−(打った後)−1。期待値の改善量がSG。
- SGを理解する鍵は、この”ものさし”にある。
全体像はこちら → Strokes Gainedとは何か【完全ガイド】。
※数値はMark Broadie『Every Shot Counts』(邦訳『ゴルフデータ革命』)の公表データに基づく概算です。基準はプレーヤー層により変動します。

